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番組更新情報

【ゲスト】 Jリーグ・鹿島アントラーズの取締役副社長 鈴木秀樹

【今週のテーマ】
・鹿島アントラーズが取り組む「スタジアムビジネス」について
・フィットネス事業でスポーツジム、ヘルスケア事業で医療クリニックを事業を導入した理由
・キャンプや遠足などスタジアムを開放するイベントについて
・鹿島スタジアムの様々なテクノロジーを導入してデジタル化の対応「スタジアムテック」とは?

*本文はAIを活用したまとめ記事となっております。全ての内容については番組本編をお聞き下さい。

常田:ビルドアップローカル番組ナビゲーターの常田幸良です。この番組は、30年のスポーツ界でのキャリアを経て、 現在は地域金融機関に勤務している私が、これまでの経験とゲストの皆様とともにスポーツを通じて町を豊かにしようという番組です。
今回はJリーグ、鹿島アントラーズの取締役副社長 鈴木秀樹さんにお越しいただきました。
秀樹さん、どうぞよろしくお願いします。

鈴木:よろしくお願いします。

常田:早速ですが、鹿島アントラーズが取り組むスタジアムビジネスについてお話を伺いたいと思っています。 スタジアムビジネスを推奨しているきっかけや、なぜスタジアムビジネスがクラブにとって必要なのか教えてください。

鈴木:2006年に国の制度が変わりました。公共施設が自ら運営する、あるいは第3セクターで運営することから、 民間事業者に任せて収益を上げ、コストを削減しようという目的で始まった制度です。しかし、大規模のスタジアム等は、指定管理者になってもらえることがなく、初年度から手を挙げたのがJリーグでは鹿島アントラーズ、プロ野球では千葉ロッテマリーンズでした。

常田:スタジアムの指定管理を獲得するのは、サッカー界ではアントラーズが先駆けなんですね。現在、取り組まれているスタジアムビジネスの具体的なお話を聞きたいにですが、フィットネス事業と医療クリニックをメインに取り組まれているんですよね。

鈴木:そうですね。基本的にサッカー専用スタジアムは多機能にできているわけではないので、日常の使い勝手が良くないです。
そこで我々の考え方としては、1番大事なものはサッカーであり、サッカーを支えるために他のことをやるという逆説的な言い方ですが、大事なものを守るために他のことをやろう。
サッカービジネスを支えるためにノーサッカービジネスという考え方でスタジアムを使い、サッカー以外のビジネスでサッカーを支えようという考え方になりました。
いろんな事業は考えられたのですが、地域貢献型。地域との関わりは大事なので地域医療、地域の健康に資するものが1番フィットすると思い、研究やいろんな助言をいただき、フィットネス事業を始めました。
鹿島は、街灯が少なく夜中歩くのが危険であったり、車社会でウォーキングするにもあまり適してない地域でかなと感じることがあって、安全に歩ける場所の提供やジム、スタジアムの一角を整備したところニーズがあり、スタジアムのコンコースのメンバーが2万人を超え、健康に対する意識が高いということが分かりました。

常田:それは素晴らしい取り組みですね。

鈴木:その方々の意見を聞いてるうちに、医療、メディカルに対するこの要望が非常に強くなりました。スポーツチームは、チームドクターを抱えています。
チームドクターは日本の医療制度の中で常駐で雇用することが難しいとされいます。
そこで、クラブのドクターのリソースを地域の人たちに提供する場所を作ればいいんじゃないかという考えになりました。
我々がドクターを数人雇用し、地域医療を提供しながら、クラブの選手もしっかりと見れる環境を作りました。今まで莫大なコストかかっていたものを、コストを稼ぐ仕組みを作ってみようした結果、地域医療に貢献できればいいなと思いスタートしました。
初めは大変でしたが、7年経ってうまく回っていき、 特に地域のクラブ活動をやってる子どもたちが利用しています。
スポーツドクターの視点としては、いかに早く回復させて競技に復帰させるのが1番の目的なので、 普通の整形外科のドクターとは少し考え方が違い、特に部活をやってる中学校、高校の生徒は3年間で答えを出さなければいけないので、かける思い非常に強いです。
少し怪我したから休みなさいと言われてしまうと、 今まで積み上げてきたものはなんだったんだろうと考えるようになってしまいます。
少しでも大会に出れる環境を作ってあげるために、ドクターの診断でPT、フィジオセラピストの献身的なリハビリをやって復帰させてます。
プロスポーツ選手がやってることを地域の皆さんにどう還元できるかっていうところが、うまくハマった気がしています。

常田: アントラーズが保有するメディカルのノウハウが地域医療に貢献してるということですね。素晴らしいですね。そのクリニックには選手も通ったりしているのでしょうか?

鈴木:ドクターがスタジアムに常駐してるので、遠隔医療もできるし、必要であれば来ることも可能です。 非常に距離が近くなり、今まで以上に選手のサポートケアもできるようになりました。
複数のドクターがローテーションではっているのでメディカルチームの意思疎通も良くなりました。

常田:地域の人、チームや選手にとって、ますます身近に感じることができる施設でもあるということですね。

鈴木:そうですね。我々は医療事業者ではないので、アスリートメッドと組み、医療事業をスタートしています。非常に他のチームからも注目されており、例えば熊谷にあるラグビーの埼玉パナソニックワイドナイツにも併設をして動いています。
来年4月には西武ライオンズのボールパークの中にも同じようなクリニックができる予定です。
スタジアムがあり、 チームのメディカルを提供する仕組みはいい仕組みなので、うまく活用できれば、ニーズに応えられると思います。

常田;鹿島モデル素晴らしいですね。
スタジアムをスタジアムテックという呼び方で、色々なテクノロジーを導入されて、デジタル化を進められていらっしゃいますよね?

鈴木:そうですね。コロナによって急速に非接触型の入場方法が進みました。
過去にもやろうとしてきたんですが、なかなかできなかったんです。現在はQRコードで入場、キャッシュレス決済で人の手を介さないという理解が進みました。
地域社会のことを考えると、スタジアムは少し先の未来を体験していただく場所だという風に思っています。年に約20試合あるので、キャッシュレスや顔認証などが広がり、こうなるんだという体験をファンの皆さんや、地域の皆さんにしてもらうことが大切です。
お手伝いいただく企業のもPOCを回せるのが、実証化に向けていろんなトライができる機会になります。スタジアムは、テックや少し先を見せる場所でラボ的な位置付けがあると感じています。
我々は、新しいスタジアムを作ると発表してるんですけれど、新しいスタジアムに向けて、求められてる実験をたくさん重ねられると考えてます。
さらに労働力が足りない課題もあり、試合運営する中でどのように削減をしていくかも検討していく必要があります。
現在、テックとエンタメで少し先を見せられるような場所に変わってきつつあり、そういう取り組みを今後もしようと思っています。

常田:デジタル化の実証実験。新しいスタジアムに向けてのこの辺の取り組み行っているのですね。

鈴木:そうですね。やっぱり、顔認証までできるといいなと感じています。特にシルバー層の方が増えていくので顔認証を登録しておくと楽なことが多くなります。現在、NECと顔認証の導入実験をしていますが、早くファンの方、地域の方に行き渡るような仕組みができればと思ってます。

常田:そうだったんですね。スポーツだけの施設ではなくて、地域に開かれたコミュニティとしても活用されてるってことですね。そして、収益性も兼ね備えた取り組みで、流石アントラーズだなという風に思います。



BUILDUP LOCAL!! / ビルドアップローカル

スポーツ×街づくりをテーマに、30年のスポーツ界でのキャリアをもつ常田幸良が、スポーツを通じて街を盛り上げる様々な人にフォーカスを当て、掘り下げていく番組「ビルドアップローカル」です。

◼️MC
常田幸良
◼️配信日程
毎週金曜日9:00配信
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